2009年3月22日

ドラマ「黒部の太陽」見たけれど-吉村 昭:高熱隧道

フジテレビ開局50周年記念ドラマ特別企画としてフジテレビ系列(テレビ大分を除く)で2009年3月21日・22日(二夜連続)夜9時~放送。主演は香取慎吾・小林薫。

うーん、
迫力っていうかリアリティっていうか、そういった物が欠けてるなぁ、と。例えば親方の作業服がキレイ過ぎるとか、巻いてる手拭いが新品のように真っ白とか

それでも気になったので原作読んでみようと市の図書館行ってみたら既に3人予約待ち。

吉村昭著、高熱隧道。
学生のときに買った本。見たら何と初版だった。

ドラマでもちょっと出てました。じんごろうさんが足に怪我した工事です。
軍事産業の

2009年2月25日

エルトゥールル号遭難事件の本2冊

今朝のこと、「おとーさん来てー」と次女の声。朝のTVニュースで、和歌山県串本町で、エルトゥールル号の遺品引き上げの話題をやっていました。

エルトゥールル号遭難事件、知っていますか?
pya:日本とトルコ

1890年(明治23年)9月16日 大島村(現在の串本町)の樫野埼灯台に、傷を負いほぼ全裸の見慣れぬ異国の男が助けを求めて転がり込みます。その後もぞくぞくと被災者が現れ、大規模な海難事故があったことが判明します。
事故にあったのはオスマン・トルコ帝国の軍艦エルトゥールル号。親善訪日使節団として日本訪問の帰路台風に遭い、現在の和歌山県串本町沖で座礁・沈没。587名が死亡または行方不明になる大惨事となりました。

漁師が多い大島村の村民はそれが当たり前の用に遭難者を助け、衣服を与え、貧しくとりわけこの年は食料事情が悪かったにもかかわらず、備蓄していた食料や非常用の鶏までも提供して被災者を助けます。
また、知らせを聞いた明治天皇はこの遭難に大いに心を痛め、政府として可能な限りの援助を行うよう指示、明治政府は生還した乗組員69名を海軍の軍艦2隻でトルコまで送り届けました。
こうした大島村民による救助活動や日本政府の尽力がトルコの人々にも伝えられ、遠く離れた日本と日本人に感謝したといわれています。

その後日本は日独伊三国同盟を結び枢軸国として第二次世界大戦に突入、そして敗戦。エルトゥールル号遭難事件のことは忘れられようとしていました。

それから95年後。
中東ではイラン・イラク戦争が勃発。イランの首都テヘランでは、商社や銀行に勤める邦人とその家族約800人が、イラクからの攻撃にさらされようとしていました。
更に、イラクのフセイン大統領が「48時間後イラン上空を飛行禁止地区とし、上空を飛行する航空機は例外なく撃墜する」と宣言。残留していた邦人はいよいよ戦火に巻き込まれようとしていました。

外務省は対応が後手後手に回り、日本航空も安全が保証されなければ救援機を飛ばすことはできない。自衛隊機は海外派遣が不可能な為動けず、国からの救援が絶望的になります。
日本政府は当てにならない。イランの大使館員たちは、テヘランに航空機を乗り入れている国全てに連絡し、残留邦人のために救援機を頼みます。しかし、どこの国も自国民の救出に手一杯でとてもよその国まで面倒見てられない。
万策尽きたと思われたそのとき、トルコから最終便に加え救援機一機を飛ばすのでそれに乗ってくれと連絡があったのです。

果たしてトルコ航空機の救援機は、危険を冒して約束どおり到着。最終便と併せて日本人全員を乗せて飛び立ったのです。

いや、乗せてくれたなんてもんじゃない。

トルコ航空機は日本人を優先してくれたのです。結果、乗り切れなかったトルコ人は陸路でテヘランからイスタンブールまで脱出したそうです。

なぜ、トルコは日本人を助けてくれたのか。

「我々は、あなた方日本人に恩返しをしなくてはなりません。」

トルコの人たちは忘れてなかったのです。自分たちの先祖が受けた恩を。

トルコ航空で増発救援機のパイロットを募ったところ、全員が挙手したそうです。また、危険を冒してトルコ航空機を増援し、自国民より日本人を優先する決定をしたオザル首相に対する非難・批判は一切なかったそうです。

そして日本。
1999年8月にM-7.4という大地震がトルコ北西部を襲います。
この時真っ先に義援金を呼びかけたのが、トルコ航空機で救出された商社マンや銀行マン。さらに日本政府もこの時は対応が早く、各国に先駆けて救助物資の提供や阪神淡路大震災の経験のあるライフライン専門家チームなどを派遣し、トルコの人たちを感激させたそうです。

世代を越えて続く善意と善意の連鎖。この物語をネットで知って、娘に話したところ興味を持ったようなので、市の図書館に行ってみました。
しかし端末で児童向けの本を検索しても見つからず、あったのは、

これ。
このエントリも、この本を読んでから書いてます。当時のオスマン帝国の様子から詳しく書いてあります。詳しすぎて読むの苦労したけど。

当然小学生にはちょっとムリ。
そこで司書の方にお願いして探してもらったところ、一冊みつけてきてくれました。司書の実力を垣間見た気がします。

表紙の絵がこわいと言ってましたが、一生懸命読んでたようです。

2009年1月 3日

アイ・アム・レジェンド

一昨年の暮れにウィル・スミス主演の映画「アイ・アム・レジェンド」観たんだけど。

これ、ホラー映画だったのね。隣に座ってたおねえちゃんも知らずに来たのか、途中から顔を覆ってました。可哀想に...
それどころか原作はホラーの古典だそうで、これが3回目の映画化。当作品に影響を受けたジョージ・A・ロメロ監督「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(ゾンビ映画の古典にして名作)も入れて「4回目」という意見もあるそうな。

最初主人公の置かれた状況がまったく分らず、謎がだんだんと明かになっていく過程は飽きることなく楽しむことができました。
ただ、ラストはどうにも納得できなかった。いわゆる「英雄伝説」というオチはどうだろう?前半がおもしろかっただけにどうも納得できません。

さて、原作はアメリカのSF作家リチャード・マシスンが1954年に発表したSF小説。気になったので、原作買って呼んでみることにしました。

ストーリーの結末は映画版とは全く違います。絶望的なラスト、逆転する価値観、そして突きつけられる"I am Legend"の意味。
はっきり言って映画とは別物。ホラー作品としてはこちらの方が面白いと思います。

実は、僕が買った本は映画公開に合わせて発刊された新訳版(尾之上浩司訳)だそうで、「吸血鬼」「地球最後の男」という題の旧訳版があるそうです。訳者は田中小実昌氏。「健康のためなら死んでもいい」という名言を残した方です。こちらもまたラストのニュアンスが違うらしい。
偶然市の図書館で文庫本を発見。早速借りて読んでみました。

実はこれが一番面白かったです。というのは、一番救われないラストだったから。
興味があったら是非旧訳版を探してみてください。

2008年8月26日

世界の駄っ作機:番外編を読む

岡部いさく氏著、世界の駄っ作機の番外編「蛇の目の花園」です。
月刊モデルグラフィックス誌に連載されてるコラム。このシリーズで紹介されてる飛行機ってあまりにマニアックで、僕ほとんど知らないものばかりです。

珍機ばかりを集めた(よくまあこれだけ変な機体ばっかり集めたもんだ)このシリーズ、番外編の大英帝国特集です。但し「駄っ作機」と言ってもグリフォンスピットソードフィッシュなど名機といわれる機体も含まれちゃってるのは「?」ですが。
まあ生真面目に航空史を読み解く本じゃあないので、あまり深く考えずぱっと好きなヒコーキのページをめくって、流し読みという感じで楽しむ本です。

その昔、イギリスは航空先進国の一つでした(シュナイダートロフィーも獲得している)。
そして航空機は大戦時に目覚ましい発達をし、その過程でカンブリア大爆発ばりに多種多様な機体が現われました。
イギリス機も進化の実験室のごとくいろんなコンセプトのヒコーキが登場しましたが、航空先進国なはずのイギリスで「何でこんなヒコーキ作っちゃったの?」今考えると首をかしげたくなる機体も少なくないんですねえ。

とりあえず、イギリス機が大好きになりました。

2008年8月10日

佐貫亦男氏の本を読む

娘と市の図書館行ったら佐貫亦男氏の本を見つけたので、持ってる本と併せて紹介。
航空ファンなら読んで損はないです。

飛行機のスタイリング(グリーンアロー出版社)
スタイリングからヒコーキを語るだけあってイラストと写真が豊富で、非常にわかりやすい。今でも時々開いてます。
ライト兄弟をけなす本を僕は初めて読みました。
また、イギリス機はダサくイタリア機はカッコいい等ステレオタイプな評価が多いのだが、じゃあなぜイギリスはダサい飛行機(ソードフィッシュ艦上攻撃機は複葉機のくせに第二次大戦を通して活躍した!)ばっかりで(スピットファイアはかっこいいけどね)ドイツに勝つことができたか...など、それぞれの民族の特徴や思考が読み取れて楽しく読めます。

ジャンボ・ジェットはどう飛ぶか (ブルーバックス)
一番最初に買った本かな。飛行機のスタイリングを読んで「なんか語り口が似てるなあ」と確認したら、佐貫亦男著だった本。
ジャンボがSST普及までのつなぎとして開発された等はこの本で初めて知りました。

発想の航空史(毎日新聞社)
リリエンタール以前から近代までのの航空史。
話の流れは「飛行機のスタイリング」とほぼ同じだが、フツーの航空史としてまとめられている。むしろ「飛行機の〜」が、スタイリングで航空機を論じているのと比べて、当時の世界観や技術面、国民性といった広く一般的な航空史としてまとめてあるのでわかりやすい。

佐貫亦男のひとりごと(グリーンアロー出版社)
航空機用レシプロエンジンの抜粋が11ページに渡って紹介されていてギョッとさせられる、侮れない本です。この本でおもしろいのは、第二次大戦中日本楽器の社員としてフルフェザーピッチプロペラの技術導入のため渡独、戦火のためやむなく居残ることになったドイツ滞在記。開戦当時の日本の工業力がどうだったかが伺える。